男女のヴォーカルを中心に、キーボード、ギター、ドラムを擁するポップ作品。たおやかな歌唱とちょっとしゃれた演奏の融合。どこか世俗から離れたような感触のＡＯＲです。ＳＦ風のＳＥも入って、雰囲気は「近未来シティ・ポップ」といったところでしょうか。ミステリアスなジャケットのアートワークもいい感じ。メロディラインが巧み。親しみやすいフレーズですがありきたりなポップじゃなくでヒネリや知性を感じさせるもの。EURYTHMIXのようにエレポップやファンクを取り入れながら、冷ややかにまとめ上げたような音。いや、もっと洗練させて知的に展開したような感じ。
男女のヴォーカルが使い分けてます。役回りが決めて曲に変化をつけるだけでなく、声が重なる部分では両者の歌いまわしの微妙な違いが最大の聴きどころになっています。コーラスの妙と言えばいいのかな、これには聴けば聴くほど感心してしまいます。
演奏自体は伸びやかで厚みを感じさせる音。キーボードは透明感のあるシンセとピアノをうまく弾き分け、その世界を厚みのあるものに仕上げています。
心の奥底に響く情感の深さとクールが同居。どこかで聴いたような・・と思い当たったのがMike + Mechanics。彼らのヒット曲Taken In・・・あのアダルト・コンテンポラリーな雰囲気が近いです。
はっきり言ってどの曲も良質のポップ。なかでも僕が気に入っているのは２、３、７、８曲目。これらの曲は何度聴いても飽きない。一人静かに過ごしたい午後なんか部屋に流しておきたくなるよなあ。
一時IOと名乗っていて、同一の内容でIO名義のアルバムが出ていました。CD BABYから購入できます。おすすめ。
近未来シティ・ミュージックと言うべき前作を発表後、沈黙が続いてたこのプロジェクト・・その後どうしているのか気になっていたんですが、突如としてミニアルバムを発表。良かった、活動中だったのね。