SYN-PHONICレーベルお得意の、米国シンフォ発掘音源です。オルガンを中心にしたコテコテ７０年代シンフォ。Tony Kaye在籍時のYESを目指したみたい。手数が多く複雑な音は同レーベルのYEZDA URFAに近いタイプです。
湿っぽく内に篭るような翳りある音像。メロディは垢抜けないですね。もっと音を整理して欲しいところ。メロディが特徴が欠けるうえに、どのトラックも似た雰囲気。皆同じ曲に聞こえてしまいます。
演奏もうまくありませんが、湿っぽくブルージーなギターが７０年代初期のあの時代を醸し出しているし、手数の多いベースが若い頃のChris Squireのよう。楽曲全体はスピード感が有り音は走ってます。そのおかげで、この手の発掘作品にありがちなダラダラとした雰囲気はなく、楽に聴ける。なんといっても作品全体を覆うオルガンがいい感じ。
３曲目Cause && Effectはあてもなく爆走するYESという雰囲気で、スリリングで起伏に富んだところがなかなか良し。また、４曲目Necropoliceから７曲目The Journeysにかけては印象的なフレーズがあるし、ドラマチックな演奏は初期YESやFLASHを彷彿とさせ、なかなかの聴きどころ。
古臭さが気になりますが、聴きなれてしまえばそれなりに楽しめました。特に７０年代シンフォのマニアにはウケそうですね。