ヴァイオリンとフルートという叙情派シンフォのマストアイテムを押さえてるグループ。これが２枚目。アルバムの前半は、古ぼけたシンフォ然としていて７０年代の味わいを感じさせます。朴訥とした男性ボーカルはお世辞にも上手いとは言えないけど、ほのぼのとしていてキレのあるヴァイオリンとギターと対比になってる。「古ぼけた」感じはこのボーカルに負うところが大きいです。インストパートは一転して劇的な展開に。フルートとヴァイオリンの白熱した演奏には聴き応えがあります。
曲が進むにしたがって演奏はどんどんシリアスになっていきます。前半は、発掘モノで有名なレーベルSYN-PHONICからリリースされてそうな、牧歌的なシンフォが多く「垢抜けないYES風」という感じ。後半は急にシリアス＆ハイテクニックになっていて、同じバンドかと思うことも。往年のKANSASに初期YESを足し込んで、南米に放り投げるとこんな感じか？」の９曲目Pocos E Nuvens、身を乗り出すほど冒頭のテンションが高い１１曲目Noites Nas Ruas、Discipline時代のKING CRIMSONを連想させる１２曲目Incenso E Chuvaがなかなか濃密です。
第一印象が地味なだけに、聴きこまないと良さがわかりにくいタイプ。ピンと来ない人はアルバム後半から聴くことをオススメします。