手癖までイエスそっくりだけどアヴァンギャルドな作品
前作Unboundから9年ぶりの新譜。YES似シンフォとして知られるこのバンドですが、Jon Andersonを意識したボーカル、メロディアスなゴリゴリ・ベース、ジャズィでフリーなギターと初期YES(ちょうどギタリストがPeter BanksからSteve Howeに変わる時期)の音です。もう、笑うくらいそっくりです。
ですが、徹底して非メロディックなのが他のYES系と異なるところ。これでもか、というくらい偏屈メロ&変態演奏です。アヴァンなYESですね。同じく変態YES系だと5UU'sというレコメン・バンドが知られてますが、こちらRING OF MYTHは変態シンフォ。メロディはPRIMUSが近いです。
2曲目Into PhaseなんかギターはBanksに、オルガンはTony Kayeにしか聴こえないです。ちょっとした手癖から音の処理まで完全に似せてます。この曲は一番聴きやすいんですが。FLASHにも似てます。
あと聴きやすいものだけコメントしますけど、5曲目Blue Stemは体調のめちゃ悪いThe Yes Albumという印象ですし、7曲目Soft Disguiseは黄金期YESに匹敵する構成力です(でもメロディはやっぱしヘン)。あ、そうだSTARCASTLEにも似てます。9曲目Bird's Eye ViewはChris Squireが弾いているとしか思えないベースです。ラスト10曲目Half WingはちょっとKING CRIMSON入ってます。
うーん、なんなんでしょね。YESサウンドはかくあるべきと言いたげなくらいの確信犯。個性的出し、パートパートは楽しめたりもするんですが・・・最後まで聴き通すのは辛いものが。実は前作Unboundもまったく同じ作風でした。