ギタリストとキーボード奏者のコラボレート作品。フュージョンからメタルまでを守備範囲とするギターを中心にしたインスト集。ふたりともDREAM THEATRのファンのようでDREAM THEATER関連プロジェクトやMAGNA CARTAあたりのインスト作品に触発されて、自分たちなりにテクニカルなメタルを発展させたもののようだ。フュージョンとメタルのクロスオーバーに位置するけど、テクニカル志向ではなくてあくまでメロディ重視。鬼気迫るような部分はなく聴きやすく透明感のある構成。時にはＢＧＭ的ですらある。耳に残るメロディラインなんだけど、曲者ばかり聴いてきた耳には（笑）どうもヒネリが足りないなー もう一歩踏み込んだテクニカルさや複雑な展開がほしいぞ。
メロディの主題は決して悪くないのだけどどうも一本調子なのだ。Steve MorseやJohn Petrucciの手癖なんか真似したりするあたりは微笑ましいけどね。
メタルとフュージョンを行ったり来たりするギターはSteve Vaiを想起させる。曲によってはDavid Gilmourのようなウェットでメロディックな奏法や、Eric Johnsonばりの歌心あふれるフュージョン・ギターも聴ける。だから曲はいいんですよ、うん。ギターの腕も確か。ヒネリやクセという点で多少の物足りないこと、それと録音のまずさに目をつぶれば結構楽しめます。Steve MorseやJohn Petrucciっぽい演奏も聞けるから、その手のテクニカル系ギターが好きな人には良い買い物になるかも。