スウェーデン出身の５人組。新人（当時）。メロディック・メタルに時折DREAM THEATER的なセンスが垣間見られます。プログレ・ファンが喜ぶ要素はあんまり見当たりません。曲はメディアム・テンポ主体でＡＯＲかと思えるくらいメロディアス。中低音域が安定しがっしりした歌唱と。このボーカルとギターが曲を引っ張る展開。ドラムスが時折変拍子を入れて、メロディックな曲調にドラマチックな抑揚を刻み込みます。
安定した演奏と危なげない旋律は安心して聴けます。逆に言えば、変拍子志向のドラムが居なければ平均的なメロディック・メタルでしかなく、少なくともプログレ・ファンにとっては退屈な作品となっていたことでしょう。
「哀しみ」や「憂い」をイメージする湿っぽい旋律。メディアム・テンポの曲がほとんどであることも加え、アルバム全体を通して聴くと食傷気味です。例えば変拍子多用するとか凝った曲展開がないと辛い。ギターのリフはちょっとばかりDREAM THEATER系バンドを連想させますが、いわゆるドリシア亜流と比較するとパワーメタルの要素は少ない。緊張感よりも、重厚でメランコリックな感情が支配する音を志向している点でも、多くのDREAM THEATER系とは異なるかなと。
そんなかでも、１曲目YMI、８曲目Walking Through Mirrorsは変拍子の緊張感がうまく活かされた良品。全曲こんな感じだったらなあ〜