メロディック・ハードからメロウなＡＯＲを志向するスペインのグループ。耳慣れぬ国からの音ではあるけど、水準以上のメロディラインと演奏。軽やかなエレキ・ギターを中心として展開されるナンバーは、ＬＡサウンドにも通じるような洗練された音。メロディラインは正直どっかで聴いたような感じで、そのためJOURNEY系やLOVERBOY系の亜流バンドという印象がつきまとう。歌を中心にしていてインスト部分は少ない。全曲英語で歌われていて概ね発音には問題なし。ハイライトは、３曲目Shine Your Light On Meがハード・ポップ作品としては一番いい出来。また、唯一凝ったインストを含む６曲目Man Behind The Maskあたりがハイライトかな。
オランダや北欧からメロディック志向のバンドが増えてきていますが、場所こそ離れているが音的にはまさにその流れをくむもの。ただ、ソフトで柔らかな感じが人によっては逆に物足りないかも知れません。
粒は揃っているし演奏にも不安な部分はない。言い換えれば、そこが平均的なバンドということになってしまうんですが。ハードロック／メタルがマニアックな市場であるにもかかわらず毎月たくさんの新譜が世界中から届けられる現在、強烈に聴き手に残る「何か」をひとつでも持たないと、一部の好事家メロディック・ファンにしか行き渡らず終わってしまうわけで・・ま、大きなお世話ですが。