ヘヴィー、ドライ、テクニカル・・そして情感豊かなハードロック
ニューメキシコ出身の４人組。ラウドで正統派ハードロックに、ときおり知的なリズム構成や凝ったフレーズが絡む。ハードロック８にプログレ／テクニカルが２くらいの割合かな。
しかしこのバンドの特徴はなんと言っても印象的なフレーズとパワフルなボーカル。派手ではないが聴きこむほどに耳に染み付いてくるようなメロディラインがいいですね。このメロディアスさと凝った展開がいいバランスとなって、バンドの個性が際立っています。もちろん演奏は申し分なし。ネイティブ・アメリカンがボーカリストで、そのパワフルな歌声がすばらしいです。メリハリが利いた中音域が魅力。
ギターはハードなエッジが申し分なく、そのドライブ感が楽曲にスピードを与えている。
正直な話、どの曲も水準以上なのだけど、強いてあげるとしたらエッジのたったギターワークとスリリングな曲展開の４曲目Cutでしょうか。この曲は旋律が個性的でとても目立つ。キャッチーなフレーズを盛り込むのではなく、ゴツゴツしたハードロックに、印象的なフレーズをタイトな演奏でさらっと配置しているのがいいですよ。
ヘヴィー＆ドライ・・そして情感豊か。いいバンドだなあ。
シンプル＆ラウド 印象的なフレーズを持った、ウェットでワイルドな正統派ハード
ソリッドな感触と印象的なメロディ、へヴぃなギターを中心とした４人組。ウネリのあるギターのフレーズと歌部分の比重の大きい楽曲が、ほどよくへヴィ、ほどよくシンプル。
ブルージィでブラックな雰囲気、ミドルテンポ、そしてコーラスを上手く使ってメリハリを作っていく・・という特徴はPLANET Xに通じるものがありますね。これ見よがしのギミックがなく、正統的なハードロックをワイルド＆ソリッドに聴かせてくれてます。またその音には古臭さは微塵もなし。上手く言葉では表現できないけどモダンな部分も感じさせます。プログレ・ハードと呼ぶにははばかれるが、シンプルななかにも光る知的なリズム展開、そして短いながらも練った展開はプログレッシヴすら感じさせます。
なんと言ってもメロディがいいなあ。メロディック・ハードのようなありきたりなものではない。重厚なギターサウンドのなかに、印象的なフレーズがフックとなって、聴き手に強い印象を与えるようになっています。ワイルドで粘着性のヴォーカルもいい。
突出した個性というものはないが水準はメッチャ高い。熟練者と言えばいいのか、職人的と言えばいいのか、とにかくアルバムの最初から最後まで音楽的に充実しているし。正直、どの曲もいいですね。何故もっと話題にならないのか不思議。