メロディック、テクニカル、ドラマチックの絶妙なバランス
有望な新人がスウェーデンから登場です。メロディックでテクニカル。そしてドラマチックなバランス良い曲つくりに圧倒されました。基本はメロ・パワにプログレッシブな要素を取り込んだものなのですが、プログレ・ハードやメタル・フュージョンにDREAM THEATER、さらにはYESの影響も垣間見える、なかなかの本格派なのです。
短い楽曲に凝った展開を押し込むのが実に上手い。本来、数分のプログレ・ハードで終わったであろう曲に、DREAM THEATER風の劇的な展開と、プログレ・ファンが喜びそうな音（ベースソロや変拍子）を盛り込むわけです。でも、曲の長さは４〜６分が大半。この隙のないつくりは絶妙です。
例えば５曲目Blinding My Eyesでご説明しましょう。この曲、疾走感溢れるパワー・メタル風なのですが、メロディが実に印象的。フックとなるフレーズをあちこちに配置しています。それだけでなく、まるでギアシフト繰り返すように何度も曲のスピードが変わります。プログレ然としたインストも挟み込み、合計の演奏時間が４分を満たないという・・凄いです。
もう一例。８曲目In The Blink Of An Eyeは冒頭から曲調がめまぐるしく変わります。俄然スピード感が出たところで急にたおやかなベースソロに。そして印象的な歌パートへと流れ込む・・この展開の巧みさはYESの影響とみました。その後も、何度も曲調を変えながら緊張感を高め、変拍子、キーボードソロ、最後はピアノの弾き語り風で幕です。
上記以外のオススメは緊張感溢れる２曲目Like Him、メロディック・ハード然としたメロディラインと重厚なギターリフとの落差に圧倒される４曲目Temple In The Storm。
クリアーなボーカルはメタルというよりSTYX系プログレ・ハードに合う声。これもまた変わってますね。面白いバンドです。LION MUSICにはいろんなバンドがいますが、個人的にはイチバン期待できそうなバンドかと思ってます。