技巧派ヘヴィネスとプログレッシブ・メタルという二面を張り合わせたような構造。軽くデス気味なボーカルをフィーチャリングした歌パートは、テクニカルな演奏にハ ードなギターが絡む重厚なつくり。一方、インストパートでは、軽やかなキーボードを メインに据え、プログレ・メタルのファンと言うよりも技巧派プログレファンに支持さ れそうな秀逸なキーボードソロが出てきます。比重としては歌３にインスト７くらいだろ うか。インストに重きを置いているのにも好感が持てます。
変拍子もバンバン出てくるし、スピード感もある。曲の構成もメロディも概ねシンプ ル。
ヘヴィな音だけど、メロディアスですぐ耳になじむ。DREAM THEATERの初期の数作を髣髴とさせる場面も。
１曲目Ao Longeの畳み掛けるようなキーボード・ソロにはわくわくしてしまう。
２曲目Mais um Rostoの中盤には、かつてのDREAM THEATERのような重厚＆変拍子展開が。
９分に及ぶ３曲目Os Quatro Quadrosはパワー・メタル風で始まり、４分過ぎからスリリングなインスト ・パートに突入。変拍子をかませながらカリカリの緊張感で疾走・・ああーたまらん。
４曲目Em Preto e Branco前半は正統なメタルでもしろくないけど４分目に豪快でハードなインストが出 てくる。ちょっとだけどね。
７曲目Pobreはシングルにでもなりそうな、キャチーな旋律のメロディック・メタル。でも 、わかり易いメロディを裏打ちするように複雑なリズムが絡んでくるとこがいいなあ。
８曲目Sombras do Caminho 前半はパワーメタルですが、４分過ぎからプログレ度がどんどん増していきま す。
この緊張感はプログレそのものですね。DREAM THEATERやYESのように緊張感と気品が同居 する。かっこいいです。