フィンランドのＤＴ系？ 荒削りながらも今後を期待させるプログレッシヴ・パワー プロダクションには不満
メロディックにパワー系演奏とスリリングな展開を次々と持ち込むという手法。クルクルと変貌する曲調とトリッキーなギター、そしてピアノや分厚いシンセが出てきます。ソリッドな音の割には聴きやすいほうかな。
スピーディでへヴぃな演奏に分厚いシンセが重なるところや、生ピアノが哀愁の旋律を奏でるあたりはプログレファンの心をくすぐること間違いなし。ギターのフレーズもいい。イマイチ弱いヴォーカルは愛嬌とも言えるかも。
DREAM THEATERを髣髴とさせるスリリングな演奏ではじまる１曲目が一番かっこいい。９０年代のDREAM THEATERをパワー寄りにしてちょっとＢ級が入ったような感じか。２曲目もDREAM THEATER流のドラマチックさをわかりやすく展開したような雰囲気でなかなか勇ましい。スリリングなギターとオルガンのせめぎあいが印象的な４曲目は、マグナカルタ系に馴染んだ耳にはDREAM THEATERやMULL MUZZLERを髣髴とさせる展開、という印象。
残念なのは３曲目以降がやや一本調子であること、それとプロダクションの悪さ（若いバンド相手に録音のことを言ってはいけないかもしれないが）もっと厚みのある音に仕上がっていたら全く雰囲気が違っていただろうだけにもったいない。
それにしても、某店のコピーにある「フィンランドのDREAM THEATER」はさすがに言い過ぎか？ たしかに初期のDREAM THEATERや９６，７年ごろのイタリアから出た彼らの亜流バンドに近い音ではあるけどね。そう言えば初期のATHENAに近いかも。
またコピーには「メロディアス」とも書かれているけど、特別旋律が秀でてるわけではなく、ききやすいかな、という程度。むしろごちゃごちゃしている部分を少し整理した方が曲としての完成度は上がるように思うのだけど。
スリリングなハイテク・パワー・メタル プログレ度は後退
フィンランド期待のプログレ・メタル、２作目。一口で言えばスリリングなハイテク・パワー・メタルです。完成度は前作から飛躍的に向上してます。リズム隊がスピード感と一体感をもたらし、パワーとプログレが合体したような複雑＆ハードな拍子で独特のグルーブ感が出てらしたと言えそそうです。
一方で、プログレ度は後退しました。メタル９にプログレ１くらいかなあ。あくまで、技巧派パワーメタル。そっちへ行ったのね・・あーあ。