ユーゴスラビア出身のギタリストのソロ作品。現在まで24K（MTM所属）を始めメロディック・ハードのレコーディングにセッション参加しているらしいです。テクニカルとメロディアスが身上。で、これが凄くいいのだぁ！ 第一印象はEric Jonson。メタル色はほとんど無くて、軽やかで華麗。細部に渡るまで弾く尽くされた演奏だけどあくまでメロディアス。分かりやすい主題を外さないというのが好感持てます。はっきり言って捨て曲無し。どれも素晴らしい。Steve VaiやEric Johson、Steve Morseの作品を初めて聴いた時の衝撃と同等、いやそれ以上かも知れない。これは凄いですわ。
１曲目Water Of Life、３曲目The Lamb Of GodはEric Jonsonのハードタイプの曲。流れるようなギターの美しい旋律と目にも止まらぬスリリングな演奏。
大半がギター・インストなんだけど、４曲目Days Of Easeは数少ないヴォーカル曲。この曲、ギターは控えめなんだけど、その代わり一度聴いたら忘れないような秀逸なサビがあります。これが本当にいい・・ギターを敢えて抑え、そのメロディ・メーカーぶりを浮き彫りにした作品。ブルージィでいい味を出しています。
５曲目HeroはEric Jonson系の美しいバラード。テクニカルでドラマチック、そして映像的な作風。その流麗な演奏のなかに高揚感を感じます。文句なし名曲。
７曲目Living In Loveもそう。技巧だけではなく、聴くものに強く訴えかける情感。郷愁をそそる音。恐らくこの曲を聴く人それぞれなにか思い描く風景があることと思います、ほんと。
８曲目The Holy Cityはスリリングでスピーディ。Steve Vaiを髣髴とさせます。
９曲目Resurrection Suiteはプログレを感じさせる変わった作風。細かで素早い奏法に残響音を利かせた前半部、ネオクラシカルな作風で荘厳なギターが鳴り響く後半。
１０曲目Sudden AwakeningはEric JonsonやSteve Morseを若々しくしたような感じ。この曲も一度聴いたら忘れないくらい魅力的なフレーズが満ちてます。思わず身体が動く。ギター・インスト史に新たな名曲が加わたなあと。
１１曲目Forgivenessは透明感溢れる小品。本当に作風が広いんだなと感心してしまう。何よりもどれもこれも完成度がメッチャ高いのだ。
１２曲目Life Is A HighwayはちょっとSteve Morse風。南部っぽさを取り去ったMorseという感じ。曲名どおり、ドラマチックで華麗そしてスリリング。
日本盤はボーナスが２曲含まれています。
Eric Johnsonのように硬軟をうまく使い分けられるタイプ。難しい演奏も、持ち前のポップな資質が上質のエンターテイメントに押し上げ非常に聴きやすい。いいギタリストが出てきたぁ。今後の活躍が楽しみ。メタル／ハード志向のギターキッズは、こういう作品をずっと待っていたのではなかったかと。ギターインストやギタリストのソロが好きな人はもちろん必聴。