こじゃれた夜向きフュージョン 疾走感とアーバンな雰囲気が同居した佳作
他メンバーはBob Berg（テナーサックス）、Michael Brecker、Jim Beard（キーボード）、Jeff Andrews（ベース）、Peter Erskine、Dennis Chambers（ドラムス）
印象的なメロディの都会派フュージョン。こじゃれた曲の雰囲気を壊さず、技巧派ギターが舞うという印象。曲はどれもクリアーでおとなしい。ちょっと夜向きの曲が多いかな。
１曲目Another Way Aroundは哀愁の漂うジャズロック／フュージョン。落ち着いたサックスと凝ったリズムが交錯する。中間のギターソロはアルバムで最も好きな部分。情感豊かにそして激しい旋律は、聴いていて気持ちが高揚する。素晴らしい。
タイトル曲でもある４曲目Jigsawは、アーバンな雰囲気はそのままに、ちょっとファンキーさを取り入れていてこれがなかなか気持ちいい。聴いていて自然に身体が動き出す。ギターソロに続いて、輝きのあるテナーサックスのソロもいい。
７曲目Kwirkはアップテンポの真性ジャズ。どんどん激しさを増すテナーサックスの演奏と小気味いいリズムが作り出す疾走感と緊張感がいい。
透明感のあるエレクトリック・ギター 意外にジャズ一辺倒なソロ
フュージョンからニューエイジに位置する作品。伸びやかなギター、開放的なサウンド、たおやかで耳障りの良い曲が多い。
キーボード、ベース、ドラムが基本構成でサックスの入る曲も。曲は３パターンあって、まずサックスがおしゃれな都会派ジャズ志向の曲、そしてニューエイジのような伸びやかな自然はギター・ミュージック、それとニューヨーク・スタイルのゴージャスなフュージョンだ。
共通するのは透明感のあるエレクトリック・ギターの音色。どこかアコースティック的に感じられる。素直でやさしい音だからだろうか。
ニューヨークの都会的なフュージョンも２曲収められている。ゴージャスな音で他の曲とかなり雰囲気が違う。
WINDHAM HILLにECMがちょっと混じったような感じ。個人的に好きなのは、サックスが参加して洒落たジャズになっている１曲目Swunk（途中から怒涛のギターソロがあるけど）、それとラストの55 Dive。
技巧派の彼ではあるがここでは、バリバリのフュージョンではありません。あくまでジャズ志向ね。