基本はGENESIS風ネオ･プログレですが、ENCHANTやSPOCK'S BEARDなどの新世代プログレに同調する音。印象に残るフレーズを上手く配置してる。ほのぼのとしたメロディラインがあるかと思えば、メタリックに仕上げたりして、楽曲にメリハリがある。古臭さがないのもいい。いきなり組曲構成の１曲目Shifting Sands and Turning Tidesが、アルバムでピカイチ。プログレ・メタルのスタイルを借りた、カリカリとした緊張感とヘヴィな音が最高。その間に美しいピアノやギターでアコースティックなパートを挟み込むのは見事です。１０分の演奏はあっという間に終わってしまう。でも、アコースティックな雰囲気に差し掛かるとGENESISっぽくなるのはなんでだろ。後半６分目からは音が走り出して、なかなかにスピード感のある展開。ここらへんはYES風。
２曲目Oceans Deepは一転して牧歌調のメロディックシンフォ。GENESIS／MARILLION亜流の穏やかポンプ。ほのぼの〜
５曲目At First Sightは１１分。どんな組曲かと身構えてると、朴訥なボーカルとともに、なんとものんびりしたメロディが。SPOCK'S BEARDをシンプル＆牧歌調にしたような感じ。中間部にやはりSPOCK'S BEARD風のインストパートを配し、終盤はエッジの効いたギターが印象的なソロをとる。シンプルなSPOCK'S BEARD。全編に流れるハモンドオルガンがいい。
６曲目Touch Sensitive ６／８拍子で適度な緊張感でじわじわと盛り上げていく。ENCHANTにSPOCK'S BEARDを足しこんだような感じ・・・いい曲だな。メロディラインが確実に残る。しかし、中間のシアトリカルな展開と、そのあとのノンビリ・メロは、やり過ぎ。オチャラケっぽいのは構わないが、脱線は短くしてすぐ元に戻したほうが良かったぞ。締まった感じにさっさと戻してほしかった。
上記以外の曲は、出来は悪くないけどプログレ（あるいはシンフォ）とはいえないような？ 無名にしては良く出来てるソフト・ロックだなという感じ。
メロディも演奏もいい。シンプルながら上手くまとめてるし。これでもうちょっとヒネリがあれば（拍子が変わるとか、クセの強いポップとか）面白いんだけど。他のレビュー・サイトでは評価高いですが、私は物足りないです。次に期待かなあ。
聞けばすぐ分かるGENESIS系。それを基盤に、ENCHANTタイプのオルタナ要素を持ったプログレや、SPOCK'S BEARDのようなカラフルな印象を持ち込んでいます。ドラムはGENTLE GIANTっぽい。旋律はシンプルなんですが、本家GENESIS／MARILLIONほどわかりやすくもなく、なんというか癖のある旋律がループしている感じの曲が多いです。キャッチーな曲もあるのですが、なんかプログレっぽくないというか、初期のSPOCK'S BEARDに近いですね。各トラックをメドレー形式にしていたら、スポックのデビュー盤The Lightそっくりになってたことでしょう。