これいいですよ。メロディックものが大好きな人、ＡＯＲハード・ファンには大推薦。一度聴いたら忘れないような印象的なメロディがいっぱい詰まった、メロディック・ハード／メタル。ただし、プログレ色は皆無。念のため。音はメタル寄りのギターが目立つため、メロディック・メタルの範疇にも含められるタイプ。だけど、分かりやすいメロディと印象的なフレーズ、平易な曲展開でありながら演奏はあくまでハードなタッチ・・という曲構成は、完璧に往年のＡＯＲハードもの。例えて言うなら、若き日のBON JOVIや最近ではDEPERTUREが最も近いかな。MILLENIUMのファンにもアピールする音です。
バラードもしっかり重厚なパートを織り込んでいて堅実に作られている。まるでベテランのように安心して聴ける。当たり前過ぎて面白くない、と思う向きもあるだろうけど、もともとこの手の音は昔ながらのパターンに沿って作れるかどうかもひとつの技能だったりする。だからこれでいいのだ。
重厚な音は二人のギタリストがいるためで、ヴォーカリストはキーボードが兼任。情感を込めて歌う中音域タイプで、これがまたBON JOVIを連想させる。コーラスも決まってる。これだけ揃ってるからかなりのクオリティであることがわかってもらえると思う。
どの曲もホントよくできている。なかでも、ハードなタッチが交錯するバラードの４曲目Man Of The World、畳み掛けるようなコーラスと重厚なギターリフが魅力の５曲目Vampire's Lullaby、メリハリの利いたギター＆ヴォーカルの８曲目Heart On A String、凝った曲展開と煽るギターがたまりまへんわ〜の１０曲目Prideあたりが大変気に入っていますが、まあはっきりいってどの曲も素晴らしいですね。もうノリノリですわ。
あまり知られてないみたいだけど、これは掘り出しモンですな。メロディック・ハードのファンを自認する人には一度聴いてみてもらいたいです。大御所になってしまったBON JOVIよりもはるかに気に入ってる。国内盤を是非出してほしいくらい。僕はamazon.comで購入。