シンフォの良品とDPRPにレビューが載っていたので聴いてみました。実はこれ、CPR（クリスチャン・プログレ）です。これで４枚目になるベテランとか。タイトルはもちろんクリスマスのことですね。なるほど、たしかにYES型シンフォニックに良質ソフト・ロックが合体したようなクオリティ。畳み掛けるような展開とポップが同居しているんですよ。特にポップ作品としてもかなりのものといえます。イチバン似てるのはSALEM HILLですね。
ジャンルとしてのCPRには米国にはKANSAS周辺(John ElefanteやKerry Livgren)といったプログレ・ハード系が有名ですが、こちらはシンフォニックの気品と、美しい旋律が合致しています。鍵盤がRick Wakeman風だったりします。
２曲目Messiah, He Is Bornは曲調、構成力ともSPOCK'S BEARDかYESかと。畳み掛けるような展開とポップが同居。宗教色の強かったJon AndersonのAnimationにも似てるますね。CPRでは最もシンフォニックな曲が完成です。これはなかなかいいな・・
４曲目We Three KingsはSALEM HILLタイプの哀愁旋律が耳に残ります。かちっとしたシンフォニックな構成は最近のKANSASやYESの作風にも似ています。
穏やかなポップ作品５曲目CloserもSALEM HILL調。気品あるピアノ・ソロが美しい。
続く６曲目Myrrhもピアノが美しいインスト小品。
７曲目Carol of the Bellsは起伏の激しい曲です。シンセで作り上げたオーケストレーションの厚みのある音はJon Andersonがやりそうな感じ。洗練されたKANSASという感じも。トラディショナルな曲でここまでプログレできるか・・脱帽・・
これも有名なクリスマス・ソングですね、８曲目Oh Come Oh Come Emanuel。シンセの音色と広大な曲想はVangelis、リズムはちょっとPeter Gabrielです。個人的にはこれが好き。
で、１０曲目Little Drummer Boyなんですが、もちろん誰もが知ってるクリスマス・ソングなんですが、歌パートはPeter Gabrielそのまま。なんか歌声まで似てるし。インスト・パートは初期のGENESISやYESを連想します。これは楽しめました。
なかなかいいです。CPRとしてもひとつの完成形ではないでしょうか。かつてソロ活動中のJon Andersonが目指した、宗教色の強いポップ作品とはこういう音ではないかとも思います。
YES、GENESISといったポップなシンフォが好きな人や、KANSAS、SPOCK'S BEARD、SALEM HILLタイプの米シンフォ、Jon AndersonタイプのCPRが好きだった人にはかなり面白いと思います。他のアルバムも探してみましょう。