気品のあるバイオリンを中心に、曲毎にクラシカル、メロディック・シンフォ、ジャズロックが顔を出す、多面的なバンド。気品と、情感に訴えかけるようなメロディがいい。全盛期のKANSASからハード色を取り除いてバイオリンとシンフォ色を強めたような音と言えばいいかな。コンセプトはいいけどプロダクションが非力。つまり「いいな」と思う展開があるかと思うと、同じフレーズの繰り返しがしつこく出てきたりする。もうちょっと聴かせどころを整理してくれたら良くなるんだけどなあ。
２曲目 Heisenberg's Daughter
ちょっとGENESIS亜流っぽいのが入っていて、KANSAS＋GENESIS（と言ってもどちらも７０年代の頃の）
３曲目 Cast Of Thousands
１１分の組曲。全盛期KANSASからシンフォ部分だけを抽出し、牧歌調にしあげたような感じか。バイオリンを中心に気品のあるシンフォが展開される。バイオリンとアコースティック・ギターが絡み合いながら、変拍子気味にゆっくりと盛り上がっていくところなんか大変気持ちいいぞぉ。ただし、歌部分は余計。後半は繰り返しが多いのが気になる。
４曲目 Allegro Assai
バイオリンを中心にクラシカル志向なシンフォ・・と思ったらバッハの曲だった。
５曲目 Rice
物悲しいギターと伸びのあるバイオリンがいい感じ。ちょっとジャズロック入ってるな・・と思えるのは、ラストのジャズロック作品への伏線か？
７曲目 Vantage Point Instrumental
ジャズ色が強く、個人的に最も好きな曲。クラシカルなシンフォと７０年代ジャズロックが衝突したよう。とても９０年代の作品には聞こえないぞ。激しいバイオリンに翻弄される８分５５秒。
入手はやや難。新品はまず店頭では見つからへんのとちゃいますか。中古をじっくり探す（僕はUNIONの中古を購入）か、通販サイトを当たるのが良さそう。KINESISで扱っているらしい。
