TREASURE LAND

Questions

ＤＴ似のプログレ・パワー　歌唱に難あり・・

　北欧産プログレ・メタルのデビュー作。アルバム前半はもろパワーメタル。後半にときどきプログレ・メタル系のプレイが聞こえる。６曲目MiracleはDREAM THEATER風、７曲目Spiritsと８曲目KingdomはSYMPHONY X風。
　イントロのギタープレイはデスっぽいザクザクしたものからネオ・クラシカルな速弾き、さらにフュージョンやスパニッシュまで登場し、単にメタルの範疇に収まっていないテクニカルなものです。キーボードはプログレ志向ですがあまり出番が無いのが残念。ボーカルは・・・低いところからいきなり高音域に飛んだりするんで驚かされるがこれが聴き辛い。高域だと歌ってる本人が辛そうだし、中低域は太い声が曲に合ってない様に思えるし。
　テクニックは申し分ないのですが、サウンドには隙間が見えてしまって完成度としてはイマイチ。まあ、なんですね、発展途上と言わざるを得ないわけです。このジャンルは技巧派揃いなんで比べられて大変とは思うけど、次作に期待。むしろ、テクニカルを廃してメロディを生かしたほうがいいかも？　どーでもいいが、内ジャケの写真・・みんな悪人顔だなあ（失礼）

TNT/VICTOR ENTERTAINMENTVICP-60119　('97)

Gateway

技巧的に向上したパワーメタル

　ドラマチックなパワーメタル系の２枚目。
　いかにもパワーメタル然とした音から脱却し、アコースティックギターやピアノを使って楽曲の幅を広げようとしています。同時に、学芸会的なドタバタ部分も無くなり、ひとつの曲のなかでの展開も工夫が見られ大人の余裕を感じさせるようになった。そしてボーカル。エキセントリックな歌唱法の前任者が去り、しっかりした歌声で聞きやすくなりました。
　インスト部分のギターにはかつてのDREAM THEATER系の畳み掛けるようなフレーズがあったりするが、それ以外はもはやプログレ・メタルとの接点は感じられなくなりました。ギター・ソロはスリリングでこれはこれで結構面白いんですけどね。ネオ・クラシカルなキーボードとともに劇的なパワーメタルを目指しているみたい。スリリングでドラマチックなパワーメタルが好きな人にはいいかもね。

　この後、しばらく活動を休止しましたが、最近復活したようです。

NOISE / T&T TT 0037-2 ('98)