この世界では、ちょっと珍しいオーストラリアのバンド。ギタリスト２人を擁する６人組。これが２枚目らしいです。ポジションはメロディック・ハードからメロパワまで。ＡＯＲハード風の情感豊かなバラードもあって音楽性の幅は広い。印象に残るフックがたくさん用意されてる。
２本のギターはザクザクとした音とフックの効いたメロディアスなフレーズとをうまく振り分けていて、重厚感と情感を上手く絡め合わせています。
プログレ度は高くない。大半の曲はメロディ重視で、曲によってはプログレ・ハード的な装飾を軽めに施されているという感じ。曲構成もシンプル。そんななかでもプログレ・ハードのファンにウケそうな曲が次の３曲。
３曲目Closer Apartはプログレ・ハード然とした作り。印象的なギターのフレーズで始まり、ザクザクとした重厚ギターが曲に存在感と重厚感を与えている。途中からピアノソロが入るんだけど、ハードな展開が一瞬にして静寂に変るあたり、実にドラマチック。
９曲目Dancing With The Devilはピアノの弾き語り風バラード。陰りのあるメロディと切々と歌い上げるボーカルが美しい。情感豊かなピアノ・ソロにＳＥが被るあたりもいい。一転して１０曲目Fatherは、重厚かつドラマチックなメロディック・パワー。曲のタッチが初期のDREAM THEATERにチョイ似かな。
それとボーナスに納められていた１２曲目Never Walk Awayは、曲の雰囲気が変貌、メロディック全開の豪快で爽快感溢れる曲。これが異常なまでに出来が良くて、まるでヒット・チャートに出てきそうなコマーシャルなタッチ。それまでのザクザクギターは影を潜めて、かわりに爽やかなコーラスが加わってる。途中のインスト・パートにはプログレ・ハード展開もあるし、スリリングだし・・・エンディングの盛り上がり方も素晴らしい。聴き終えた後の充実感・・この曲、好きだなあ。この曲だけで、アルバムの評価が高くなりそう(笑) メロディック・ハードのファンは必聴です。
というわけで、まあ、これら以外もメロディアス系としては水準の高い曲が多い。プログレ度はイマイチだけど・・
曲つくりやそのメロディの聴かせ方は上手い。演奏もソツが無い。曲ごとにちゃんと聞かせどころが作ってあるので、メロディック系として聴くには全く申し分の無い佳作でしょう。