RUSHのギタリストAlex Lifesonのソロ・プロジェクト。本家RUSHに負けるとも劣らない、いや、RUSHの近作よりも魅力的かもしれないくらい、クオリティの高い作品です。RUSHが休止中にカナダの若手ミュージシャンを集めて、Lifesonが以前からやりたか ったことを存分にやったらしい。といっても、ギタリストが初めて作るソロにありがちな弾きまくり大会でもなければ、バランスの崩れた独りよがりな作品でもありません。RUSH同様、音の隅々までータルにコントロールされていて、曲毎に込められたおもしろいアイデアを生かすことに重点を置いています。そして、自分のギタープレイはある程度控えていて、ここぞというところで効果的に弾いてる。ここまでやったか、と正直驚くくらい完成度が高いですね。
これはいいですよ。RUSH meets オルタナというところかな。意外にモダンな音なん で驚き。RUSHが絶対にやりそうにないようなサウンドを目指してるんだけど、どの曲にもどこかRUSHが残ってる、みたいなところが面白い。「RUSHでないようでやっぱりRUSH」という感じ。モノトーンな音色のギターが渋いインスト曲とか、Lifesonの奥さんの喋りに、ギターがかぶさるのとか、おもしろい曲ばかり。オルタナ系のミュージシャンを従えたモダンな曲とか・・・
特におもしろかったのは、３曲目。ボーカル(女性）が７０年代のGeddyをさらにエキセントリックにしたような声で、聴いててひっくり返りそうになっ た(笑)。
それにしても、Lifesonがこんなことをやりたがっていたとは思わなかった。RUSHフ ァンでない人にもにも聴いて欲しいくらい、アイデアと仕掛けがいっぱいある。傑作ですよ。