イタリアのハイテク・フュージョンバンド。これが２枚目。WORLD DISQUEなどプログレ店に入荷しゴージャス＆テクニカルなフュージョン作品として話題になりました。Allan Holdsworthライクなギタリストを中心にリズム隊の３人組。そこへキーボードとサックスが参加。フュージョンとしての作品のクオリティを大切にしているので聴きやすい。ピアノ／キーボードの撒き散らすゴージャスな楽曲と、粋なフレーズで作り上げた楽曲に、テクニカルな技を無理なく配置しているのが特徴ですね。さらに聴き進むにつれ、エレクトロやアヴァンギャルドといった「異質なもの」を取り込んでいるのに気付きます。それでいて「聴きやすいフュージョン」の枠から外れることなく、聴かせるのがすばらしい。音の質感にもこだわっているようですね。正統派なんだけど、その独特の残響音ゆえ変わって聞こえるのが面白いです。
２曲目Time OutはAllan Holdsworthをムーディにしたような作品。流れるようなキーボードが都会風の雰囲気を盛り上げます。
３曲目Malatestaは、印象的なフレーズを配置しながらもベースにリードをまかせたり、拍子が変わったり、カリカリとした音色のキーボードが出てきたりとプログレ・ファン向き。
６曲目Nocturnal Tendenciesはちょっと変わった曲。知的で複雑なリズムをベースに、ラテン、アヴァン、アンビエントといった要素が次々と現れる。局長がどんどん変わっていくのも面白い。手数の多いキーボードがプログレッシブなフレーズを聴かせてくれる。
９曲目Homer's Monkeyはアンビエント＋フュージョン。淡々と演奏されるドラムとベースの上で、エレクトロなキーボードとうねるようなギターがスローモーションで舞うような展開。スペイシーな作風。
１１曲目A Tra Pocoはベース・ソロ。それをアンビエントなキーボードがバックアップしてる。これも変わった曲だなあ・・キーボードのモコモコした音色とベースの合体が個性的。
正統派スタイルなんだけど、異質なものをうまく取り込むセンスは抜群。おかげで、聴きやすいけどプログレ・ファンも満足な作風に仕上がっています。もちろん、フュージョン作品としての質は高い。この方向性でどんどんやってもらいたい。Allan Holdsworthに似てる似てないはどうでも良いなあ。１枚目も探してます。発見情報求む！