Allan Holdsworthタ ギター＋リズム隊の３人組。ミネアポリス周辺で活動しているらしい。Allan HoldsworthそっくりのギタリストJohn Ericksonを中心にハードコアなフュージョンを展開。その音は、非メロディックでテクニカル至上主義と言えばいいのかな。演奏はかなり複雑。曲の主題となるフレーズは概ね決まっているようですが、曲がどんどん変化していく様はちょっとインプロ気味でわかりやすいフレーズは皆無。メロディックな志向性も痕跡程度には残っているため、ストイックながらもさほど難解ではないかな。
繰り返し聞けばその作品世界の全体像がわかってくるし、その質の高さも次第に伝わってきます。HoldsworthがECMから作品を出したらこんな感じなるんじゃないだろうか。また、このシリアスさは、同じアメリカのScott McGillにもそっくり。McGillの一連の作品と比べるとこちらのほうがやや明るい雰囲気かな。
リズム隊が叩き出す厚みのあるジャズ・ビートをするするとすり抜けていくような・・またあるときはウネウネとねちっこいギターサウンドが個性的。複雑／重厚なんだけどバンドの持つ疾走感がちょうどいい具合に作用していて、複雑なんだけど難解と感じさせないところがいい。全７曲のうち比較的スローな２曲以外はどれも音が走っています。
最初はその複雑さに圧倒されたけど、慣れて来るとこれが大変心地良いのだ。ベースもかなりのテクニシャンで、いろんなベースラインが次々と出てくる。かなり細かにリズムを刻んでいて、ギターよりもこっちがメインと思える曲もあります。前面に出てきてかなり楽しませてくれるので、テクニカルなジャズベースが好きな人には面白いでしょうね。もちろんドラムスもすばらしい。それにしても、たった３人でこれほど厚みと深みのある世界が作り上げているのも驚き。自主制作のようですが録音も完成度もいい。
ハードコアなフュージョンであるゆえ、ある程度聴き込みが必要。でも、もしあなたが難しくても聴き応えのあるフュージョンが好きな人ならば、聴けば聴くほど好きになりますよ、この作品。
Allan Holdsworthタ 前作の延長上にある。リズム隊を含む３人構成であることと、半ばインプロ気味に展開されるコアなギター・フュージョンであるところは変わりない。が、全体的にやや穏やかで優しい曲調に変化。ギターソロのかなりの部分が即興的な演奏になっている反面、聴きやすさを配慮してかある程度メロディアス。
Allan HoldsworthタイプのギタリストJohn Ericksonが率いるトリオWOOPGNASHが３枚目をリリース。複雑非メロディックな演奏を、滑るようなHoldsworth系ギターがうねりまくる・・という今までの作風はなんら変わりません。