PINK FLOYDの鍵盤奏者が７８年に出したソロ。PINK FLOYDからシリアスとドラマチックを抜き取ったような感じ。明らかにPINK FLOYD全盛期を意識した音作りになっていますが、基本的にＡＯＲ志向。なんていうんだろ・・だらーんと軽く弛緩した感じ。これがWrightの持ち味なのか。彼がPINK FLOYDのバックグラウンドを担う鍵盤奏者で、この音色こそWatersやGilmourの音が入ってく直前の音だなというのは確認できるのですけどね。PINK FLOYDの研ぎ澄まされた音の代わりに、このゆるーい音の塊が入ってきて別物になってるわけです。バンド本体ではRoger Watersが中心になってコンセプチャルな重厚作品を作っていた時期なので、主導権を失っていたWrightが対照的な作風になっているのは興味深いものがあります。