LE ROUXの元メンバーが参加。本作はLE ROUX解散後にレコーディングされたものの、そのままオクラ入りしていたものです。情報が乏しく詳細は不明ですが、８０年代後半の作品と思われます。２本のギターと３人のコーラスワークによる重厚なアンサンブル、そしてキャッチーなメロディが特徴。どれくらいキャッチーかというと、SURVIVORや後期LE ROUXに共通する、いわば典型的かつ平均的なアメリカン・メロディック・ハード。
派手さには欠けますが、時折はっとするようなメロディラインが織り込まれます。全編に渡ってかき鳴らされる歯切れの良いギターもなかなかいい。ＡＯＲハードが好きな人には充分アピールするでしょう。
２曲目 Make Believe
冒頭部分のメロディは紛れもなく往年のハードＡＯＲ。途中に出てくる短いギターソロもいい。
３曲目 Jaimee
STARSHIPやSURVIVORを連想させるような明るく歯切れのよい音像。
５曲目 Out Of Time
ヘヴィなギターのリフがかっこいい。TOTO周辺のＬＡバンドのような都会的な音作り。
７曲目 Stranded
冒頭の走るようなベースラインと歯切れの良いギターのフレーズ、そして美しいコーラスワーク・・・シンプルだが印象に残る曲。
８曲目 Patiently
BON JOVIやNIGHT RANGERに通じるような熱唱バラード。
９曲目 One Lifetime
アルバムの最後を飾るにふさわしいような、胸にぐっと来るようなメロディ。JOURNEYあたりを彷彿とさせるコマーシャルな曲。
あまりにもストレートであるため没個性と言えなくもない。でも、やはりこの手の音って好きだなあ。上述のバンド群が好きな人は聴いて損なし。