マルチ・プレイヤーJeff Cannataを中心とするハード・ポップ・バンドの唯一の作品。アルバムの帯に「プログレ･ハードの王道」とのコピーがあるけど、古めかしいメロディックハードと捉えたほうが正しいかな。プログレならびにプログレ･ハード的な展開は乏しいです。とても８３年の作品とは思えません。音的には７０年代後半あたりで、後期STARCASTLEをさらにシンプルにしたような感じ。メロディはそれなりに聴けるし、BGM的に聞き流すのも悪くないけど、ちょっと地味。正直なところ「王道」の名に値するかは大いに疑問。でも、それなりに良い曲は有ります。
１曲目 Stars
前半と後半で曲の雰囲気が異なります。特に後半部分は７０年代的なプログレ･ハードが少し展開されます。
２曲目 Tragedy
ハードポップにちょっとCARSが入ったような感じ。まあ、当時のトレンドに近い音。シングルにしたのかも知れない。分かり易くどこか懐かしい音。
４曲目 Used To Think I'd Never Fall In Love
メロディが印象的なアメリカらしいバラード。コーラスが美しい透明感のある曲。
６曲目 Before The Storm
元気の良い硬めのベースの音が印象的なインスト。YESにチョイ似というか、Steve Howeがfusionやったらこんな感じか。演奏時間が１分ちょっとと短いのが残念。頼むからもっとこんな曲をやってくれ〜 この曲だけ突出してプログレ。
「プログレ･ハード」という言葉から連想される緊張感やスピード感は皆無に近いです。総じてＢ級ハード･ポップだけどそれはそれで良さはある。あの時代の懐かしい雰囲気が充満していて、チープな音もまた良しって感じ。気楽に楽しめば良いんじゃないかな。
その後、Jeff Cannataは自身のプロジェクトCANNATAを立ち上げる。こちらはぐっとモダンなサウンドになっている。