オルタナ + プログレ RPWLタイプ
最近オルタナ系プログレが多いですね。こちらの作品は、オルタナ系プログレの代表格RPWLのギタリストKalle Wallnerのソロ・プロジェクトです。当然、オルタナを基盤にした音なんですが、RPWLのように作りこんだ曲もあれば、等身大を感じさせる曲も。ちょっと力が抜けた感じになってるというのが全体を通した特徴でしょうか。
ポストロック的に音を処理したり、変拍子を入れたり、インスト曲があったりとまあRPWLに良く似てます。RPWLのギターまわりを残してシェイプアップしたような感じ。曲によってはフツーのオルタナだったりするのですが、ダイナミズムがあることと旋律の良さゆえなかなか聞かせてくれます。
1曲目Obsessionと2曲目Moon And Sunはスタンダードなオルタナですが、ダイナミックな展開とポスト・ロックな音処理が特徴です。
3曲目Break Youは歪んだギター・サウンドに変拍子を足しこんでます。小気味良い変拍子。クセのあるリズムなのですが、確実に覚えてしまいます。
6曲目Hollowedはインストなんですが、初期PINK FLOYDを思わせる幻想的なサウンドです。
7曲目Mirrorはミディアム・テンポで変拍子を繋ぎ合わせたような展開。
8曲目Don't Ask Me WhyはRPWLをシンプルにしたような曲。ギターを聴かせます。いいメロディです。こういうのがやりたかったのかな。
9曲目Moorlandは対照的に歪んだギターを重ねて作りこんだインスト。ハードで幻覚的で、RPWLそのもの。
10曲目Forbidden To Remainはシンセを多く導入して音を重ねてます。オルタナ+シンフォニックといいますか。厚みのある音だけど鋭角的。これはいい曲ですね。まるで陰影深いドラマのようです。PINK FLOYDがオルタナ全盛期に生まれてたらこういうのやてたんじゃないかなあ。
オルタナを基点にどうプログレと折り合いをつけていくのか試してるようなサウンド。2作目も出ました。これからもどんどん変わりそうな予感。
ポストロック化したシリアスな作風に
RPWLのギタリストKalle Wallnerのソロ2作目。前作の延長上ですが、RPWLの近作に似てポスト化したへヴィ・ロック。敢えて言うならメロトロンがないRPWLか。広がり感がない分、ラウドな印象です。むしろ最近のSYLVANにそっくりと言えそうです。SYLVANのファンの人はどうぞ。そういや、ジャケもどっかSYLVANっぽい・・
親しみやすい旋律ですが、シリアスでへヴィ。1曲目Lostはパワフルでスピーディ。いい曲ですね。ボーカル処理がPINK FLOYDっぽいのは笑ったけど。他に、良かったのは、ラウドなのに繊細な印象が残るギターの5曲目Death、鋭利で音の走っている10曲目Vowです。最後の11曲目Change Repriseのゴリゴリしたギターとベースが実に個性的。シンプル構成でもこういう新鮮な音があるんだなあと。まあ、聴いてみてください。
ギターのゴリゴリした音が魅力的です。最近こういうのが増えたせいかどうも食傷気味なんですよね。よくできてるんですが。うーん、ちょっとストレートになったかもしれませんね。コアになったといいますが。もう少し、凝った音で・・例えばエレクトリック寄りとかのほうが聴きやすいと思うんだけど。