最初に言います。すごくいいです、これ。PAIN OF SALVATION、WOLVERINE系のダークで知的なサウンドです。さらに暗いかな。ピアノの出番が多いことからDALLI'S DILEMMAを静的にしたような感じとも言えそうです。流麗、劇的で思索的、だけど鬱系そして屈折・・・真っ暗で底知れぬ深淵を覗いているような音です。
ザクザク系も流れるような演奏もできるギター、流麗なピアノとプログレ・マインド全開のキーボード・ソロをたしなむ鍵盤奏者、変拍子はもちろん、知的で複雑な構成を繰り出すリズム隊。素晴らしいです。
メタル然とした激しい演奏は少なく、静かにしかしシリアスに盛り上がっていくタイプです。流れるようなピアノが情感を刺激し、ギターとリズムがスピード感を付けます。翻弄されまくり。
メロディはいい具合に屈折してる。屈折メタルですね。今は「鬱系プログレメタル」と呼ぶようですが。とにかく、プログレ・ファンに聞いてもらいたい素晴らしい作品です。
どの曲を紹介しようかと迷いましたが、どの曲も素晴らしい。全曲とも上述のとおりのトーン。静かにジワジワとテンションを高める、この技術・・・このクオリティが新人ですか？！深夜にひとり浸りたいプログレ・メタルです。