フュージョン寄りのインスト・ロック
フュージョン寄りのインスト・ロック。ギター、ベース、ドラムの３人組。マサチューセッツで活動しています。
メロディラインと演奏にはRUSH的なものを感じさせます。メロディラインははっきりしているんですが、演奏を黙々とこなすどちらかというと地味な印象。垢抜けずストイックなインストをやっているという点ではWHOOPGNASHに近いです。WHOOPGNASHやScott McGillをマイルドにして軽くシンフォニックな装飾を施したような音といえばわかりますでしょうか。
出来は可もなく不可もなしといったところかなあ。演奏はそれなりにテクニカル。だけどメロディが淡白で印象に残らない。また、同じ繰り返しが多く冗長。もっとメロディーを充実させるのか、あるいはギターを中心にソリッドな技巧派に転ずるのか、それともアヴァンなスタイルに拘るのか・・どーも中途半端に感じられてならない。どうも楽曲に求心力が欠けているのだ。
しかし、続くアルバムStandard Deviationでは哀愁系の音に転向。ギター主導のシンフォニックなフュージョン作品で演奏もライティングも上達している。
シンフォニックなフュージョンへ変化した２枚目 ちょっと欧州風？
これが２枚目。ギターを中心としたシンフォニックなフュージョンに変化している。シンフォ・フュージョンにちょっとメタルを足しこんで湿っぽくしたような感じかな。あまり洗練されていない音つくりはどことなくアングラな雰囲気を醸し出す。
ギターはScott McGillのコアな趣向にEDHELSの哀愁をくっつけたような感じの奏法。特にその音色はEDHELSやMINIMUM VITALのようなフランスのシンフォ・フュージョンを感じさせる。ウェットだけど時折哀愁を感じさせるフレーズを盛り込む。リズム隊もしっかりしたテクニックの持ち主でジャズにも造詣が深そうだ。
あまりフレンドリーでない旋律ゆえにやや近寄りがたい印象がある。もうちょっとメロディが良くなれば、俄然注目を浴びそうなのだけど。哀愁を感じさせる曲調にEDHELSタイプのうねるギターが心地良い２曲目と４曲目がお奨めか。音色がモロEDHELSでっせ。
先に２枚目から聴いたが、個性を打ち出せていない前作よりも断然こちらのほうが出来はよい。