Joe Satrianiに代わってPLANET Xに参加したギタリストです。ソロが出てたので聴いてみました。うねり、歪む独特の音です。決して速弾きさんではないです。いや、速弾きできるんですが、彼の個性を感じるのはむしろゆっくりと演奏してるときの存在感ある音色。アルバム前半は粘っこく重厚、これがかなり個性的だなと。好き嫌いは分かれるでしょうけどね。一方、アルバム後半では滑らかなフュージョン・ギターを聞かせてくれます。
１曲目Undoingはスペイシーな曲調のなかを自在にうねるギターです。ヘヴィ＆テクニカル。他にも同系統の曲として、トラッドの影響も垣間見える３曲目Brothers、その名のとおり空間にゆっくりと軌跡を描いていくような４曲目Drowning。
２曲目Trinityは変わった曲です。フュージョンともプログレともつかぬアシッドな曲調です。前半はしっとりとした音色で聴かせますが、後半はうねり漂うギターになり、ちょっとこの世のものでは無いような感じ。
軽快なんだけど、ブルーズや南部スタイルの泥臭さを少し感じさせる５曲目Fu'd FightはSteve Morseタイプ。６曲目Breathe、７曲目Got The Hornも同タイプです。曲が進みに連れてどんどん爽やかに、スリリングになっていきまして、８曲目The Mythは情感豊かで軽快、Eric Johnson風のフュージョンが堪能できます。個人的にはこの曲がイチバン好き。
９曲目Friend Or Foeはアルバム冒頭と同じく粘着重厚サウンド。
ラストの１０曲目Big Skyはゆったりしたテンポですが、天を駆けるような素晴らしいギターが堪能できます。
感想を一言で言うなら「テクニカルだけど渋い」。センスある人ですね。さすがセッション・ワークで長いキャリアのある人です。ホントはもっといろいろ出来るんだろうけど、曲のあるべき姿を考えて、弾き過ぎないようセーブしているかのようにも聴こえます。