知る人ぞ知る存在、米メロディック・シンフォの良心であるSALEM HILL。情感豊かで美しい旋律、飽きることなく難しくもないポップな曲展開が特徴であり、私個人的にはSPOCK'S BEARDやTHE FLOWER KINGSに匹敵するクオリティかと。で、その中心人物であるCarl Grovesがひっそりとソロを出していたらしいといのはどっかの記事で読んで知っていたわけで・・いやあ、探した探した。ジャケットも地味だし、タイトルもなんとなく地味だなと思えるのではありますが、この作品はSALEM HILLそのもの。メロディアスで情緒豊か、そしてそこはかとなくシンフォニック。POCK'S BEARDのように派手ではないしTHE FLOWER KINGSのような広大なスケール感もない。だけどTHREE DOG NIGHTやBilly Joelのように人懐っこいメロディに、職人芸のような演奏。SALEM HILLのような凝った展開はないけど、真摯にメロディック・シンフォやっているという印象。マイルドなJohn Lennonという気もするな。アルバム後半は、メロディに足場を残したまま多少アグレッシブな要素を持ち込んでいます。
特に１曲目Pompous bastardsなどは数回聴けばもう覚えてしまいますね。３曲目Hopeless Circleのはメロウなギターと淡々とした歌声の対比がいい。６曲目はBeatlesを意識したようなポップ。７曲目Walking On Diamondはオープニングから英国ポップみたい。８曲目Mine For The Takingは変拍子をかましたインストパートがアグレッシブ。重ねたギターの素朴にして濃密な味わいが素晴らしい１０曲目Norwegian Ire。
いいですよ。本家よりもさらにメロディアスでシンプル。だけどその情緒の深いこと。ギターを多く重ねていて、素朴でありながら深みのある濃厚シンフォ・ポップです。すごくいいです。