MARILLIONの現ヴォーカリストSteve Hogusのソロ・プロジェクト。これがソロ・デビューとなります。シンセサイザー、ブリティッシュ・ロック、ワールド・ミュージック、そしてMARILLION的シンフォ・・・様々な要素が交じり合い、曲毎に異なる色彩を放ちます。ゆっくりとした展開、宇宙や深海をイメージさせる広大な世界・・・その遠くから運ばれてくるHogusの歌声。ボーカルのアルバムですが、演奏に重きを置き、シンセでスケールの大きな世界を作り上げています。
MARILLIONの他メンバーは参加していないようです。Richard Barbieriが参加しているのが目を引きます。
では、気になった曲についてちょっとコメント。
１曲目 The Evening Shadows
ゆったりとしたモダンなシンフォ。
２曲目 Realy Like
パーカッシブ、そしてクール。ワールドミュージックを取り入れてデジタルに仕上げて変った感じになっています。
３曲目 You Dinosaur Thing
ストリート・ロックを思わせるシンプルなメロディだけど、歌詞を読むとそうでもないようです。MARILLIONの近作に入っていそうな曲。
４曲目 The Deep Water
VANGELISの近作を連想させる音。ゆったりとしたシンセの海に遠くから響き渡るHogusの歌声が重なり、静謐な世界を作っています。曲の途中から民族楽器のパーカッションが入って動的に展開・・・広大な世界観を感じさせます。
５曲目 Cage
シンセの透明感のある音で構成された世界。まさに"ice cream"のように冷ややかで"genius"の名のとおり知的な音像が印象的。この曲、好きです。
８曲目 Nothing To Declare
シンセとピアノで構築された静寂・・・ゆっくりと翳りゆく世界をシンフォニックに描いている。ピアノの音色が美しい。
モダンでクールな音とシニカルな歌詞。曲毎にコンセプトを練りMARILLIONに負けず劣らぬ構築し尽くした音世界。曲によっては本家MARILLIONよりもプログレかな。そしてモダンな音になっています。いいですね。深夜に一人で聴いてみたいアルバムです。