ギタリスト３人を中心にリズム隊、キーボードらゲストを招いてのプロジェクト作品。メンバーは、プロジェクト名となっているJoel Rivard、Alessandro Benvenuti、Milan Polakのギタリスト３人に、Lale Larson（キーボード）、Florian Holoubek（ドラムス）ら・・僕は彼らの略歴は良く知りませんが。でも演奏はすごい！ 時に攻撃的なまでの技巧でグイグイ押したかと思えば、酔いしれるような優美な旋律・・メロディアスでテクニカルに展開される。ジャンル的にはSteve Morse Bandのように、フュージョンからインスト・ロックの間くらいか。３人のギタリストが順にソロを分け合う構成。技巧の高さを感じさせながらも、あくまで美しい旋律を損なわず聞かせてくれるのが嬉しい。
ご丁寧に、各人がソロをとる場所までクレジットされている(笑) というか、３人とも似ているタイプだな。いずれもハードロック・スタイルもAllan Holdsworthタイプもブルーズもスタンダード・ジャズも弾き分けることが出来るようだ。だから、言われなきゃどこで代わったか分からない。
１曲目 The Usual Unususal
冒頭、ラジオから流れてくるレトロ感たっぷりギター・・そこから一転して鋭角的なギターとドラムが乱入。このギャップがいいねえ。さらに、転がるような変拍子を駆使しながら、曲が続く。複雑なリズムと印象的な旋律のギターソロのバトル。もう、１曲目でフェイバリット・アルバム決定ですわ。
２曲目 2 Sides Of The Same Trouble
チョッパーを使った硬質ベースに、Ｒ＆Ｂスタイルとハードロック風のギターが絡まる。スリリングな展開と切れ味鋭いギターのプレイに、悲鳴を上げたくなるくらい。かっこいいぞ。大音量で聴きたい。
３曲目 Lydian Field
しっとりとした音色にちょっと一息。まるで湖面に輝く水面のように煌くギター、さざなみのように優しいリズム。アルバムで最も美しい時間が訪れる。美しい旋律に感動。
４曲目 Hot Room
一転してハード＆スリリングな曲。ギターの応酬。中間部のキーボードとベースの並走部分が渋い。３分過ぎからはAllan Holdsworth風になるが、途中に挟まれるジャズ・スタイル（４分３０秒から）の超絶ギターソロは圧巻。
５曲目 Back On The Track
ミドルテンポのインスト・ハードロック。ブルース寄りのワイルドなギター中心だが、途中からフュージョンに寄り道して終わり・・かと思ったら別の曲が始まってすぐ終わる。変わった構成。
８曲目 Perfect Angel
ゆったりとした心地よさ。クロスオーバー・イレブンのようなシンセ(笑)にたゆたうギター。たおやかなベースソロがいい。
９曲目 General Relativity Jam
冒頭からもう血管が切れるような高いテンション！ ファンキーな楽曲が走り出して思わず身体が動き出す。Ｒ＆Ｂを早回しにしたようなソロの応酬。キーボードも入っての４人のソロが競演。すごい！ そして楽しい！ 聴いてよかった、買ってよかった・・
こういうの、モロ好み！ メロディも印象的で演奏もすばらしい。バックのリズム隊の演奏も賞賛に値する。インスト・ロックも聴ける人なら、店頭で見つけたら是非聴いてもらいたい。そうだな・・Steve Morseが好きな人にはぴったりじゃないかな。Shawn LaneやJoe Satrianiが好きな人にもおすすめ。
はっきり言ってどの曲もいいなー 白熱した演奏を聞かせてくれたギタリストたちに拍手を送りたい。