ＵＳらしいからっとした雰囲気を感じさせながらも、ミクスチャー・サウンドが作り出す独特のグルーヴ感。ヘヴィ・ロックを基調に、プログレ、メタル、ソウル、ＡＯＲを貪欲に取りこみ、曲毎に全く違う雰囲気を感じさせながらも実はしっかり自分達KING'S Xの音に仕上げる彼ら。個性的なギターが秀逸です。なによりもメロディがいい。本作はKING'S Xのデビュー作です。聴き応えのある楽曲、曲の表情が途中で変貌していくところは代表作KING'S Xとなんら変わりません。最初からこんなんやったんやね。
１曲目In The New Ageはミドルテンポに合わせ、順に出てくる仕掛けを楽しむ。そうくるかあ、みたいな。
２曲目 Goldiloxはアメリカらしいメロディ。ＡＯＲです。ヘヴィな曲の合間にこういう曲を持ってくるあたりがニクい。
６曲目 Sometimesは一度聴いたら忘れない旋律です。ファンキーでダイナミック。シンプルな構成の向こうにいろんなサウンドが潜んでいます。
７曲目 What Is This?はヘヴィでシンプル。このギターがかっこいい・・独特のウネリが作り出す雰囲気がたまらん。
８曲目 Far,Far Awayは変拍子とエスニックな要素を含む、もっともプログレッシヴな１曲。ゴリゴリとした演奏なのにポップ。最高です。装飾的に挿入されるシタール・ギターと、中間部の個性的なギターソロが好き。
１曲１曲が短いので、身を乗り出して聴いているうちにあっという間にアルバム１枚終わってしまう。どの曲も好き。ギターのフレーズが特に好きで、どの曲にもカッコイイギター・ソロがあるのが嬉しい。太くソウルフルなヴォーカルも個性的です。デビュー盤ということでどこまでの完成度かと思ってましたが、一番輝いていた時期の作品と比較してもなんら遜色なし。名作です。彼らの入門用としても良いです。