メンバーの変遷著しいTOTOのフロント・マンのソロ。本作はフュージョン、ブルーズ、ＡＯＲをやってます。ドラムにSimon Phillips、そして１曲だけDavid Paichが参加しているだけでそれ以外、TOTOのメンバーは参加していません。そのせいでTOTOとはかなり離れた音楽性になっています。TOTOの顔役的な人物の作品がTOTOらしくないのも面白い。１曲目Hero with a 1,000 eyesはブルーズのウェットな旋律に、ラテンのリズムを合わせた曲。ハードで素早いギターソロはさすが。
４曲目Born Yesterdayはブルーズっぽく始まり、軽めのTOTOといった雰囲気のＡＯＲ。都会的なしゃれた音とけだるい感じが同居しているのがいい。
６曲目Party in Simon's Pantsはインスト・ナンバー。タイトルのSimonとはSimon Phillipsのことだよね。彼のスピーディなドラミングとLukatherが作り上げるフュージョン系インスト・ロックだ。David Garfieldのピアノソロもなかなかかっこいい。
７曲目Borrowed timeはTOTOにも収録されそうなバラード。琴線に触れるものがあるいい曲。
８曲目Never Let Them See You Cryはスピード感のあるブルージィ。１曲目と似ているけど、中間部にジャズ風のピアノソロが入るのはちょっと面白い。
１１曲目Song for Jeffはジャズ寄りのフュージョン作品。Jeffとはもちろん亡きJeff Porcaroのこと。思い出をめぐらすように、ゆっくりと弧を描くフュージョン・ギターが心にしみる。泣けるなあ・・・
このアルバムは亡くなったJeff Porcaro（TOTOのドラム、彼の後釜に入ったのがSimon Phillips）と、俳優Brandon Lee（故Bruce Leeの息子、やはり撮影中に死亡）に捧げられている。それを綴る文の横には、おどけるLukatherとLeeの写真が添えられている。どうやら二人の親交は厚かったようですね。