AMBROSIAの中心人物のソロ。AMBROSIAはAlan Parsonsタイプのプログレ、実験色の強い硬質サウンドなど音楽性の変転が激しいバンドでしたが、やはりＡＯＲをやってBiggest Part Of Meなどのヒット曲を連発した頃が黄金期と見るべきでしょう。このDavid PackのアルバムもそんなＡＯＲ期の延長にある音です。Biggest Part Of Meに情感をさらに強化した透明感のあるＡＯＲサウンドです。James IngramやDavid Fosterタイプのシティ・ポップになっています。参加メンバーはKerry Livgren（！）、Mike Porcaro、Stanley Clarke、Jeff Porcaroなどそうそうたるメンバーが名を連ねています。この時期のPackは自らが出ることはあまりなく、メロディ・メーカーとして他人に曲を提供することがメインになっていて、その関連でこれだけのメンバーが集まったわけですね。
AMBROSIAタイプのＡＯＲが堪能できるのは２曲目I Just Can't Let Goと５曲目That Girl Is Goneです。またこれらこそがアルバムのハイライトかなと思います。あとは流れるような演奏が美しい都会派サウンドの６曲目She Don't (Come Around Anymore)、MR.MISTERのような歯切れのいい打ち込みサウンド９曲目No Direction (No Way Home)がいいかなと。キーボードの音色を聴いてると時代の音だなあとしみじみと実感しました。
都会派ポップが堪能できるさわやかな１枚です。都内近辺をドライブするのにぴったりかなと。