ロンドンで活動していたコンポーザーSimon GoldbergとGeoff McCormackが女性ボーカリストMiriam Stockleyを迎え入れて作った作品です。Miriam StockleyはCarl Jenkinsの誘いで、後にADIEMUSに参加。その後の活躍はご存知とおり。欧州とアフリカ中心のエスニックに、柔らかなビートを重ねた音は典型的な
DEEP FORESTタイプ。最初、なんてやわらかな音なんだろうと驚きました。 デジタルなビートは強調されず、アコースティック・ギターや奥行き感のあるシ ンセをフィーチャリング、ナチュラルで清涼感のある演奏が耳に優しい。開放感と 明るさに満ちた旋律も魅力です。
最大の特徴は楽曲の中心となるのが歌。聴きなれたエスニック系ではなく 、白人女性の艶やかなボーカルってとこが耳に新鮮。存在感があり滑らかな声の持ち 主Miriam Stockleyは本当にすばらしい。曲の作り出す風景と一体化する伸びやかな高い声・・・聴き手の気持ちは作品へシンクロしていきます。個人的にはADIEMUSよりもこちらの歌唱のほうが好きだなあ。
キャッチーなメロディラインの４曲目Easy Way Outが最も印象的。欧州の気品漂うア コーディオン風のシンセと、スパニッシュっなアコースティック・ギターが味わい深 い。情感豊かな旋律もいい。もっと長いバージョンを収録して欲しいくらい。アフリ カの草原を連想するような大らかな３曲目Easy Way Out、伸びやかな歌声にほっとします。
７曲目Pride、風流な音作りと臨場感が心地よい８曲目Chinatownもいい。６曲目Loveは個人的にアルバムで最も好きな曲。歌唱力の良さがよく表れている。
ADIEMUSもDEEP FORESTも好きという人にはもちろんおすすめ。それでだけでなく、音 楽ファンに広く聴いてもらいたい佳作だと思います。
海外盤と国内盤ではジャケットが異なる。いずれも青を基調とした美しいデザインは 強烈な印象。既に国内外ともに廃盤になっている模様。通販サイトでも中古店でも目に したことがない。入手は困難になってきました。