一部サイトでプログレ・メタルとして紹介されていたブラジルの新人バンド。速弾きギターと強力なヴォーカルを擁するドラマチック・メタルというところかな。
プログレ者の視点からはさほどプログレを感じさせるものではないが、スケールのデカい世界観と、変拍子もこなすテクニック、パワー・メタルからアコースティック・スタイルまでの幅広い音楽性、そしてソング・ライティング能力の高さなど、メタルファンならずとも、その新人らしからぬ力量を感じてしまう。同じブラジル出身のANGRAと比較しても遜色ないくらい完成度は高い。ただ、ANGRAのようなラテンの血は感じさせる音ではなく、もっと自由にやっているという感じ。バンドがさらに上手くなって、メンバー一人一人の個性や力量が出てくるようになるとさらに豊かな音になることだろう。
ヴォーカルは曲毎にそのスタイルを変えられる器用なタイプ。一部の曲では人見元基のような歌い方もしていたりする。
２曲目"What Can I DO?"はバラード調で始まって、唸るようなヴォーカルを挟んで、テクニカルなインストパートに突入。彼らの演奏能力の高さがよくわかる１曲。一転してアコースティックギターに持ち替えた３曲目"Hard Feeling"は美しいバラード。７曲目"Rest In Paradise"はスケール感のあるドラマチック．メタル。中間のギターソロは高揚感を感じさせる。８曲目"You"はシンフォニックなシンセとオペラ風の構成が特徴のメリハリの利いたバラード。この以外の曲の多くはメロディック・パワーのスタイル。
ドラマチックなスタイルのメタルが好きな人にはお薦め。もちろんANGRAのファンも聴いておいて損は無いでしょう。ANGRAもそうだけど、ブラジルってこういうスケールのでかいバンドが育つ風土があるのかな。
パソコンで見られるバンドデータが含まれている。見てないけど。