ゆったりとしたメロディック・シンフォ作品。南米らしく、風通しの良いおおらかなシンフォ。ちょっとおおらか過ぎて刺激にかけるキライはありますが。こういう作風が個性とも言えるが、このバンドならではの独自性がまだ見出せない。メロディックなギターと透明感のあるシンセ・・とメロディクものの基本を押さえている。それなりに場面転回もあり、決して変化に乏しい音ではないが、シンフォ系音色を横たえるシンセとロングトーンのメロディックなギターはちょっと前のPENDRAGONに近い。PENDRAGONをさらにゆっくりさせて平べったくしような感じか。特にヴォーカル曲はどことなく声が似ているように思う。
メロディはもろPENDRAGON風から哀愁系まで。その分かりやすさは時として歌謡曲的ですらある。特にヴォーカル曲でその傾向が強い。分かりやすいが印象に残りにくいのではないか。
こういうのを好む人も多いだろうけど、もうちょっと緊張感のある展開が欲しい。そんななか、５曲目The Fortressあたりはちょっとスリリングな展開もあって結構好みこういう曲がもうちょっと配置されていたらなあ・・・このままではＢＧＭ。
ただ、このギタリスト、ラテン系のアコースティックな奏法が達者で作風は広いようだ。そういう部分を生かしたモダン・シンフォをやったら面白いかも。