Henning Pauly関連です。CHAINのベースとキーボードが参加し、ボーカルは同じくHenning Paulyのレコーディングにも参加していた人のようです。さらにゲストとしてMichael Sadler(ex-SAGA)も１曲歌ってます。音のほうは陰りのあるハードなメタルです。Henning Pauly同様、カチッとした硬質メタルにサイバーなキーボードが暴れるドラマチックなサウンド。１曲の間で何度も曲調やスピードがシフトしていきます。リズム隊はスピーディ＆テクニカル。スラッシュなギター、うねるキーボードとの間でストイックなテクニカル・メタルの応酬が繰り広げられます。たとえるならばやはりCHAINに近いです。あるいはFRAMESHIFTの２枚目からもっとコアなメタルに近づいた感じ。モダンなDIGITAL RUINという気もします。
ただし、あくまでメタル側の音なので、プログレから来た人にはツライかも知れません。また、メロディには重きを置いていないようです。もちろん、演奏は魅力的なのでそれで十分という人も多いお思いますが。私は曲中で時折聴かれるインストパートやリズム構成に感嘆したものの、曲自体はあまり印象に残りませんでした。１５分ものシンフォニック・メタルの大曲も用意されていますがどうにもピンと来ないし。
そんななか、地中海メロディを取り入れた３曲目Make You Believe、枯れた曲調にリズムだけが生き生きと響く個性的な９曲目Forever Goneは良かったです。
そしてラスト１１曲目The Darker Days Of Lifeは、緊張感、スピード感兼ね備えたサイバーＳＦのような曲。FRAMESHIFTに匹敵するかっこ良さです。キーボードの目が回るようなソロ、異なるパートを凝縮して纏め上げる技術、効果的なＳＥ・・・壮大なＳＦ映画のラッシュ版を見たような気分です。
１１曲目だけは突出して素晴らしい！ こんな曲がもっとあったら良かったんだけど。次に期待しましょう。