Billy Squireのギターも担当したことがある、スウェーデン出身のスタジオミュージシャンCary Sharaf、そしてあのNEW ENGLAND、ALCATRAZZの鍵盤奏者Jim Waldoを中心に結成されたメロディック・ハード・バンド。本作は陽の目を見ることなく長い間オクラ入りしていたものを復刻したものらしい。音のほうは、明快なメロディとシンプルな構成の平均的なメロディック・ハード。ちょっとＬＡメタル寄りの志向性も感じられる楽曲は、V.U.やTHE STORM、古くはSPYSを思い起こさせる、明るく伸びやかな旋律。
楽曲は覚えやすいし、ボーカリストも悪くない。しかし、これといった個性に欠けているんだなあ。可もなく不可もなく。正直、インパクトに欠ける。地味なのだ。強いて言うならWaldoのシンセが目立つことくらいか。プロダクションが弱いのか、音が悪いのが印象を悪くしていると思う。まあ、オクラ音源なんだから、多少デモに近いもので最終のテイクではないのかもしれない。が、そのせいでのっぺりと聴こえてしまう。メリハリがないのだ。それと演奏にも工夫がなさすぎ。これでは印象に残らない。ちゃんとしたプロダクションのもので演奏をやり直したらけっこういけるかも知れないけどね。
とは言え、「未発表の貴重盤」っていうメロディックものって、大半がこのレベルなわけですし。イマイチだったからリリースされなかったのかもしれないし。NEW ENGLANDのファンや、上にも書いたV.U.、SPYSが好きな人には面白いかもしれないです。しばらく寝させてからまた聞いてみようかな。