EQUINOXの後身バンド。前メンバーはすべてバンドを去っており、まったくの別モノと呼んでもいいんだけど、たった１枚でシーンから去ってしまったあの伝説のバンド関連となると俄然注目したくなりますよね。ミニアポリスで活動していたEQUINOXは、プログレ・マインドを前面に押し出したハード系バンドとして注目されました。スリリングな展開とキャッチーなメロディラインを兼ね備え、ハード／メタル側から新たなバンド登場とプログレ・ファンは色めきたったものです。いやあ、懐かしいなあ。当時プログレ・ファンでも強く支持されていたDREAM THEATERと比較したレビューも多かったですね。たしかに北米産プログレ・メタルの文脈に近い音楽性持っていました。
さて、その後のEQUINOXですが、アルバム発表後にバンドは沈黙。メンバーチェンジを経て新作を録音中というインターネット情報はありましたが、いつの間にかサイトも閉鎖。もうアカンかなと思っていたのでこうしてアルバムを手にすると感慨深いものがあります。
ではその音楽性について。EQUINOXの音楽性は確かに受け継がれていますね。音楽性と言うよりも「枠組」「フォーマット」のほうが正確かな。EQUINOX譲りなのは、変拍子など畳み掛けるような展開と、テンションの高い演奏、そしてキャッチーなメロディ。
新しい要素としては、さすがに演奏やドラムの手癖が今風になっているというところ。それとわずかながらオルタナも感じさせることも。
メタル色はそこそこ。メタルとハード・ロックの中間くらいで留まっている感じですね。何よりも歌声がメロディック・ハード風。この中高音を浪々と歌うこの声がなかなかの存在感。例えるならDenis De Young(STYX)やMax Bacon(GTR)ですね。素晴らしいです。この声、憂いのあるメロディライン、そして手数の多いリズムが合体しています。９０年代半ばのDREAM THEATERがＡＯＲハードやってるような感じです。と、ここで私はEQUINOXとは別のバンドを思い出しました。その名はTHE QUEST。英国のプログレ・ハードです。この２枚目Changeに非常に似てる。物悲しいメロディをプログレ・メタル的なリズムで盛り上げていく手法。レビューを掲載してますので詳しくをそちらをご参照ください。他にも、MARA、MYSTERY、ENCHANTにも近い。そちらのファンは要チェックでございます。
残念なのは楽曲がみな似通ってること。物悲しい雰囲気一辺倒なんですよね。しかもどの曲もミディアム・テンポだし。もうちょっと幅広げてくれないかなあ。いえ、悪くないんですけどね・・・たしかに時間かけたことだけはあってどの曲も素晴らしい厚みを感じさせるんです。それだけにワンパターンはどうにかならなかったのかと。
次に期待して待ってます・・・・・ってまた１０年後ってことは無いよね？