新人ギタリストを据えたネオクラ・スーパーグループ
Stephan Forteというフランス人の若手ギタリストを中心にしたバンド・・実際は彼を立てるために組んだプロジェクトと言ったほうが正しいようです。鍵盤はあのRichard
Andersson(MAJESTIC)、ボーカルはPINK CREAM 69の人らしい。周りをベテランでがっちり固め、ギターを聴かせる構成。
スリリングなネオクラシカル・メタルです。ドコドコ・ドラムと荘厳キーボードの隙間を高速ですり抜けるギターはたしかに上手い。駆け上がるようなスピード感とクラシカルな気品を漂わせたフレーズはYngwie Malmsteenタイプ。音の分離も良く、ネオクラ苦手な私でも厚い鍵盤の作りシンフォニックな雰囲気と小気味良いギターのおかげで、最後まで楽しめました。
２枚目になると作りこみすぎるんですが、こちらのデビュー作はバランスもいいし重量加減もちょうどで聴きやすいです。
仏ネオクラ シンフォニーＸ、アーテンションが好きな人向け
ネオクラシカルです。曲によってはゴシック張りの様式美に。
プログレ・メタルとしてネオクラの様式美を追求するタイプとしては当時としては既に完成されていたSYMPHONY Xがいましたし、同じフィールドにはSYMPHONY Xを猛追する疾走型のARTENTIONが気を吐いていました。ADAGIOはその中間に位置する感じでしょうか。ギタリストはSYMPHINY Xを思わせますし、鍵盤はARTENTIONのVitalij Kuplijタイプです。
ネオクラは好みではないので迂闊なことは言えませんが、門外漢からしても、これかなり作りこんでいるなと。重厚でありながら滑らかに曲が進んでいく快適さが同居するんですね。丁寧に厚く塗りこんだような音です。リズム隊のコンビネーションは驚きの一言ですし、その上にギターと鍵盤が音を重ねて構築される楽曲・・それがきびきびと変化していくさまは、まるでサーカスを見ているようです。
旋律はなじみにくいですけどね・・・まあ、ネオクラはこういうものですが。