イングウェイの影響下にありながらテクニカルなプログレを志向していた個性派MAJESTIC。天才キーボード奏者Richard Andersonを擁し２枚のアルバムを発表後、ボーカルにGoran Edmanを獲得、バンド名を一新し出したのがこのアルバムです。しかし、これ、いい！ プログレ・パワーなんですが、精緻な演奏と印象的なフレーズが合致した佳作ではありませんか。音が走っているのもいい。駆け上がるような展開、スリリングで目が回りそうです。音が変わりましたね。イングウェイ色を払拭、ネオ・クラシック要素もほとんど感じられなくなりました。DREAMSCAPEにDrama時代のYESを足しこんだような音です。
撥ねるようなドラムに注目しました。複雑なリズムなんですが、音を間引いて叩き過ぎないようにしています。おかげで難しく聴こえないんですね。これ、大事だなあ。そして一打一打にばねのような瞬発力があって、これが曲にエネルギーを吹き込んでいます。
キーボードのはプログレ趣味全開です。
まずは１曲目Sin To Sinを聴いてください。駆け上がるような展開。冒頭から最後までスリリングな展開に翻弄されますよ。もやもやしたものが一気に洗い流されるような爽快感。神秘的なシンセの作り上げる深み。素晴らしいです。
２曲目The Talismanでは長いキーボード・ソロが聴けます。これがかなりのプログレ。白熱の入魂ソロに圧倒されました。曲全体も前の曲にまけずスリリング。
６曲目Creator In Timeはキーボードが主導するプログレ・パワー。かっこいい。これだけリード・キーボードが聴けるメタルがあるでしょうか。このセンでもっとがんばってほしい。
７曲目Miracle Manは目の回る鍵盤ソロの攻撃的なこと。朗々と歌い上げるボーカルもマル。まさにミラクルです。
テクニカルでスリリング。だけど印象的なフレーズ。曲が始まるまでこれほどワクワクするプログレ・メタルもそうありませんよ。いやー かっこいい。MAJESTICも良かったですが、はるかにプログレ寄りの素晴らしいバンドになってます。