元3のRobert Berryを中心にDavid Lauser,Alan Fitzgerald(NIGHT
RANGER),Gary Pihlという蒼々たるメンバー・・・これを見て期待するなと言う方が無理かも。特にRobert BerryはARTULAを始め、優れたプログレ・バンドを世に送り出すプロデューサとして活躍しています。他のメンバーもビッグネームのバンドで活躍し一時代を作った人たちです。だから演奏も全く問題ない。AlanのKeyが大人しいのは意外だったけど、Berryは歌も作曲もうまいし、他のメンバーの演奏も不安が無い。特にアルバム前半のギターワークは胸のすくような快感がある。HRファンや８０年代のアメリカン・ロックが好きな人には概ねウケがいいようみたい。
ただ、プログレ･ハードのファンにとっては退屈な作品。テクニカルでもないしシンフォでもない。Threeを初めて聴いたときの、プログレファンとしてどう振る舞っていいか悩んだ、あの戸惑いに似たものがあります。BerryのソロPilgrimage To A Pointを聴いた人なら分かるでしょうけど、彼は「プログレのファンかも知れないがプログレ・アーティストではない」のだと。EmersonやHoweが参加しながらプログレていなかったあのソロ作品よりも、このアルバムはプログレからさらに離れてしまった。８０年代のＡＯＲが好きな人向けです。
思うにRobert Berryという人はアメリカ人が持つロック魂というか、「土着のＵＳロック」というものを持っているんですよ。つまり、どこかブルースみたいなものを感じさせるんですよね。こういった「アメリカ人らしさ」を出すのはBerryだけに限らず、時々あるんですが（STYXやJOURNEY周辺のスピンアウトものなど）、こういうのってどーもプログレとしっくりこないんですが。僕らがThreeを楽しめなかったのそういった彼の趣味が出ていたせいかも知れませんね・・