テクニカルな展開は少なく、変わったセンスの曲を並べたような様相。東アジアや中近東などをごちゃ混ぜにしたような感覚はTHE LONELY BEARSに近い指向性です。チベットの打楽器まで登場。アヴァンにありがちな近寄りがたい音でも神経質でもありません。奇異な印象はあるものの、どこか大陸的なおおらかさを感じます。
このプロジェクトのリーダーを務めるBozzioの無国籍風パーカッションもさることながら、David Tornの変幻自在なギターを追っかけてるだけでも面白い。よくもまあ、次から次へとこれだけの奏法ができるものだなあと感心。パートパートで別人のような演奏です。スローな展開の多い楽曲にあって、表情がくるくると変貌していくところが最高。Robert Frippライクなギターを、ジャズロックに改変したような奏法です。アルバムが硬質な作風だけに全曲を聴き通すのは骨が折れましたが、この人の演奏が救い（笑）