ご存知、ケルトを代表するバンドIONAのパーカッション奏者。どんな作風になってるのかなと思ったら、ケルトを足掛かりにシンフォニックな雰囲気が濃厚なニューエイジ作品になっています。弦楽器をフィーチャリングしたクラシカルな曲、Joanna Hoggが参加した琴線メロ、ランドスケープ、ENIDタイプのシンフォ、サントラ風・・・とまあ、多様でスケールのでかい作風になっています。そして、どの曲にも共通するのはスピリチュアルな傾向性が感じ取れること。もとよりIONAは宗教的色彩の強いバンドでしたね。
１曲目Consciousはクラシック楽器をフィーチャリングし、ケルトとクラシックとシンフォニックが渾然一体となって、讃美歌の世界を独自に展開したような天上の音楽。神々しい雰囲気に溢れています。
２曲目The Pursuit Of IllusionはJoanna Hoggの歌唱をフィーチャリングした作品。ケルトをオーケストレーション化したかのような深遠な演奏。霧のように広がる音のなかで、Hoggが琴線メロディを歌い上げる。広大な自然や、大自然の動物の営みを連想させる。サントラみたい。
３曲目Little Windowはシンセによって、ケルトの広大な世界観を具現化した・・みたいな感じに。ENIDにも似てます。
５曲目Fragmentはその名のとおり思考や感情の断片を取り出して、それらをつなぎ合わせたような、精神性を感じさせる作品です。まるでふわふわと雲が流れるごとく、宗教色の強いコーラスで構成されています。次々と現れて消えていくフレーズ・・・しかし、やがて、高みを目指し立ち上っていくかのような高揚感を迎えフィニッシュです。これも天上の音楽ですね。
７曲目The Colour Of The Door, Pt2は１８分以上に及ぶ組曲。ふわふわとしたランドスケープ風の演奏が長く続いた後、流れるようようなケルト、そして分厚いシンセとギターが織り成すシンフォと続きます。その後、室内楽を橋渡しに、サントラ風のケルトから世界に響き渡るようにフィナーレを迎えます・・が、さすがに集中力が保てません。どうも散漫な気が。
いいですね。気品高き交響楽をたしなむのに似てますな。聴けば聴くほど心にしみます。IONAだけでなく、ENIDのファンにも面白いと思います。