自身のバンドMORATTIでも活動し、２０１０年にはSAGAのボーカルとしてアルバムとツアーにも参加したRob Moratti。残念ながらSAGAでの活動は１枚で終わってしまいましたが、その彼がSAGA参加前に精力的にやっていたのがこのプロジェクトFINAL FRONTIERです。相棒であるカナダでは老舗のハードロック・バンドVON GROOVEのギタリストMladen Hazeという超実力派とともに強力なメロディック・ハードを３作残しております。現在は活動休止中のようです。JOURNEYに近い雰囲気なのですが、湿っぽさのないカラッとした曲想が特徴ですね。曲はどれも８０年代後半あたりの正統派メロディックの流れをくむもので、産業ロックとしてもかなりの水準と言えましょう。
Rob Morattiは、中音域はSteve Perry(JOURNEY)に似てますが高音域はMicky Thomas(STARSHIP)に近いですね。なるほど、演奏の印象はSTARSHIPにも似てます。ボーカル２人体制になってリニューアルした頃の・・そうそうWe Built This Cityがヒットしましたね・・あのメリハリの効いたサウンドにも非常に近いです。Mladenは歌を聴かせるために出番を控えめにしているように感じましたが、それでもいくつかの曲でそれはそれは痛快なソロを弾いています。
壮大な幕開け部分が付いた１曲目The Second Wave、そしてそれを引き継ぐような２曲目Lydia。どちらもJOURNEY＋STARSHIPという感じです。
３曲目Somebody's Got To Play The Priceは米国メロハーにもファンの多いB'zを思わせます。サビの多用とか曲想とか。いい曲です。
サビの印象的なバラード４曲目After The Fall、琴線メロを生かして哀愁ソングをカラッと仕上げた６曲目Sherryも良かったです。
そして、TOTOやRADIOACTIVEを髣髴とさせる厚みと見事な旋律の９曲目Runawayが秀逸。特にギター・ソロの痛快なこと。
いいですねえ、これ。産業ロックと言ってもいろいろありますが、STARSHIPの明るいポップセンスにメロハー少年はみんな大好きJOURNEYの旋律をあわせたような感じ。なんで今まで知らんかったのか・・他の作品も聴いてみよう・・
流れるような楽曲、キャッチーな旋律。前作よりもくだけてわかりやすくなったような感じ。フツーにラジオから流れてそうな楽曲がずらっと並びました。歌唱も前作よりも軽やかになっています。一方で高いパートが多いことにも気づきます。声質はSTYXのDenis De Youngに似ています。ギター・ソロも相変わらずかっこいいです。