SAGA脱退後に発表した作品です。MORATTI、FINAL FRONTIERで活躍後、突如カナダプログレ・ハードの雄SAGAに、Michael Sadlerの後釜として加入。１枚のアルバムを作った後SAGAから離脱、その直後のこのアルバムです。脱退の経緯はよくわかりませんが、まあ・・・なんかこうなる気がしたですね・・参加者はギターにReb Beach(WINGER、exDOKKEN)、ベースがTony Franklin、鍵盤Fredrik Bergh(STREET TALK)そしてドラムに現SAGAのBrian Doernerです。
まずジャケットを見てほしい。引き込まれるそうになるくらい何か楽しげではありませんか。実際、音のほうもこのアートワークのように聞き手をぐいぐいと引き込むような魅力が満載です。
FINAL FRONTIER同様にフック満載。メロディック・ハードの王道を行くようなかっこよさはそのままに、さらに演奏にSAGAを意識したような部分があるのですよ。SAGAの持つダイナミックでスリリングな特質をそのままメロディック・ハードに移したような感じ。ある意味、こういうのを待っていた、こういうSAGAが聞きたかったという人は僕以外にもいるのではないでしょうか。５曲目Hold That Lightに顕著です。９曲目Standing On The Top Of The Worldも同系統です。
また従来どおりFINAL FRONTIERやJOURNEYに躍動感を足しこんだようなタイプの曲がたくさんあります。１曲目Life On The Line、２曲目Everything But Good Byeはメロディック・ハードのファンならノリノリで聞けると思いますし、バラードの３曲目Life Timeは現行JOURNEYがやりそうな明るさに満ちてます。
アルバムで最初に覚えてもらえそうなメロディが４曲目Power Of Loveでしょうか。最もコマーシャルで、小気味良いテンポに明るい旋律、伸びやかな歌唱。彼の良さを集めたような１曲です。一方、悲しげなバラードの７曲目Take It All Backは、シンプルに冒頭歌から始まり次第にスケール感が増していく構成です。
ハードロック・タイプの６曲目On And On、SURVIVOR風の１０曲目Jennieも印象的です。
明るいスリリング。SAGAのメロディ・ハード面を取り出し明るく展開し続けたような感じ。まさにSAGA ＋ FINAL FRONTIER・・パワフルでスピード感溢れる展開が好きな人には気にいってもらえると思いますよ。
バンドもMorattiもパワーアップした活動そしてくれればそれでいいですよね。とにかくMorattiは今度もさらにさらに期待できそうです。そんな感触を感じる本アルバムでありました。