テクニカル・フュージョン界の日本代表 メロディックで洗練された音は聴き応えあり
４枚目。テクニカルとメロディアスのベストミックス！ そして都会風の音色にしっとりとした味付けが、いかにも日本のフュージョン。Mike Sternが３曲参加。
矢掘のギターはAllan Holdsworth風あり正統派ジャズ風ありと多彩。時にギター以上に長くリードを取る水野正敏のベースソロも楽しい。また、ご存知、菅原孝三はジャズテイストも満載のシャープで安定した演奏を聴かせてくれる。
この作品、プログレファンの間には意外と知られていないようだけど、ジャズファンだけに聴かせておくのはもったいない！ むしろ、カンペキ、プログレファン向きの音になっています。テクニカルでメロディアスなジャズ／フュージョンが好きな人向け。ただし、初めて聴くなら、メリハリのよりはっきりした次作5から入るほうがいいかも。本作よりも聴きやすいです。
例えるならホールズワースのしなやかさとジェフ・ベックの力強さが合体
技巧派ギタリストを中心とした日本のフュージョン・グループ。演奏はかなりジャズに近いタイプ。ごきげんな都会派フュージョン・ナンバーから、変態技巧ジャズまでをこなす。
ジャズっぽい曲ではAllan Holdsworthを髣髴とさせるような技巧的で流麗なスタイル。一方、一部の曲ではJeff Beckのようなロック・フィーリング溢れる力強いスタイルになっている。ブルーズっぽいフレーズを交えながら、ソリッドな音を出していて、バンド全体の演奏も、Jeff Beckの最近のフュージョン作品をさらにテクニカルにしたような雰囲気を持っていて面白い。
多重録音とイフェクトによってギターの分厚いサウンドが構築されている。この作品が持つ広大なイメージを喚起させる音像と、畳み掛けるようなリズム展開を合体させたような音。
ベースはハーモニック奏法から歌心のあるベースラインを弾いたりして幅の広いプレイヤー。ドラムスは技巧派ジャズ・ドラマー。変拍子など複雑なリズムを好むタイプ。
PRISMなどの技巧派フュージョンをさらに推し進めたようなスタイルだけど、あくまで洗練された雰囲気は保っていて気品を感じさせる。技巧派である程度メロディックなものが好きという人にはピッタリの作品。PRISMの近作では物足りないと感じている人にもおすすめ。