水野正敏
classification : technical fusion
area : Japan
related bands : PORTFORIO, WYSIWYG, FRAGILE
review :
Method
技巧派ベーシスト水野正敏が村上秀一、古川初穂（キーボード）、久保寛一郎（コンピュータ）と録音したソロ作品。これが初めてのソロとなるらしい。
そのタイトルのとおりユニークな方法論でフュージョンに向かい合っている。どの曲もマニアックな設定があって、シンセのオートコードを使うとか、異なる二つの曲を同時に流してさらに詩の朗読がサイドから入ってくるとか・・最初はギミックの強いフリージャズ（あるいはワイアード・フュージョン）に聴こえるが慣れるとなかなか楽しい。その方法論の面白さを探求する面白さ。ひととおり楽しんだら、公式ページにアクセスしてみよう。なんと全曲の解説があって各曲の種明かしが書かれている。アイデアとそれを実現するための苦労が書かれている。読み物としても大変面白い。また、解説を読んだあと、それぞれの曲がまた違って聴こえてくるぞ。
なかでも好きなのは、UKも真っ青な変拍子と個性的なシンセ・ソロが聴ける６曲目Bright Rain、二つのベースが左右から壮絶にバトルを繰り広げつつも調和する９曲目Twin Bass・・そしてそれを繋ぐのは中心から発せられるドンカマ風の電子音。
重厚で技巧的、だけど優雅なベースが全編にわたって聴ける。まあ、じっくり聴いてみてください。
ひととおり聴いてこれを書いているけど、しばらく間をおいてまたじっくり聴いてみたいなあ。広がる音に注意を払いながら・・
SUB CONSCIOUS SUB-1001 ('95)